ADHDの怒りのコントロール14:相手の「べき」を考えると衝突の原因が見えてくる
だれかと衝突するのは、何らかの理由があります。あなたにはあなたの言い分があります。譲れないあなたの「べき」があると思います。でも、相手にも同様に譲れないものがあるのです。相手の譲れない「べき」を考えると、相手の気持ちや自分の本当の気持ちが分かります。
あなたの「べき」と相手の「べき」は違う
「べき」とは、あなたが「こうあるべき」「こうするべき」と決めつけている強い思い込みです。
人それぞれたくさんのべきを持っています。
あなたが当たり前に「こうするべきだ」と思っていることでも、世の中の人全員が同じ考えであることはまずないのです。
人にはそれぞれ生まれ育った環境があり、物の見方やとらえ方、考え方はそれぞれなのです。
一つの物事で「べき」と「べき」が衝突すると喧嘩やいさかいが起こります。みんな自分の「べき」は正しいと思い込んでいるので、お互いに一歩も引けない感じになって、小さな出来事でも大きな衝突になってしまいがちです。
そんなとき、ちょっとだけ冷静になって、相手が今の出来事をどんな「べき」でとらえているのか考えてみましょう。
すると、相手の真意がわかります。振り返ることで、自分が本当はどうしてほしかったのかもわかります。
「べきログ」で自分の気持ちに気付こう
いつも口うるさい上司がいます。些細な失敗でも真っ赤になってみんなの前で怒ります。
あなたは怒られるたびに思います。
「私ばかり起こられてムカつく!」
1.あなたが「むかつく理由はなんですか?」
答え:
- 小さな失敗を怒られたら、伸び伸び仕事できない。
- 上手く行ったときはほめない。ほめて伸ばして欲しい。
- せめてみんなの前で怒らないで。
- あの子が同じことをしても起こらない。不公平。
2.では、あなたの「べき」はなんでしょう?
答え:
- あまり小さいことでしかる「べき」ではない。
- 上手く行ったときはほめる「べき」。
- 上司はほめ上手である「べき」。
- 人前で怒る「べき」ではない。
- 上司は公平である「べき」。
3.では、あなたの本心はなんですか?
答え:
- あまり細かいことで叱って欲しくないし、人前で叱るのはやめてほしい。
- できたことを認めてほしい。
「べきログ」で相手の気持ちを知ろう
では、上司になった気持ちで考えてみましょう。
4.上司の「べき」は何でしょう?
答え
- 同じ間違いをする「べき」ではない。
- 上司は部下の失敗を正す「べき」。
- 部下が同じ間違いをしないよう注意喚起をする「べき」。
- 上司は部下が一人前になるよう厳しく育てる「べき」。
- 上司は相手によって指導方法を変える「べき」。
5.上司があなたばかりを人前で叱るのはなぜですか?
答え:
- 上司としての責任を果たしたい。
- あなたに一人前になってもらいたい。
- 部署で同じ失敗をするのを予防したい。
自分の本心と、上司の気持ちを考えてみると、何となく怒りの気持ちが薄れていきませんか?
人間が集団で生活する限り、人との軋轢は避けられないものかもしれません。そんな時、相手の行動を分析してみると、いざこざになることを避けられるかもしれません。
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