ADHDと愛着障害2:ADHD児のしつけと愛着障害
ADHDの特性を持つ子供は、親にとっては養育が難しい存在かもしれません。良かれと思って行い続けた「しつけ」が子供の愛着障害を生み出してしまうこともあります。
ADHD児のしつけと愛着障害
ADHDは先天的な特徴なので、赤ちゃんの頃からその特性は表れています。周囲の物音にすぐに注意をそらす、落ち着かなくてよく動く、寝かしつけようとしてもうまくいかない・・・。
ADHDの赤ちゃんを持つお母さんは「育てにくい」と感じることも多いでしょう。
大きくなるにつれ、ADHDの特徴が前面に現れていきます。小さな子供が不注意で好奇心旺盛なのは当然です。しかし、ADHDの子どもは定型発達の子どもと比較しても不注意で刺激にすぐ反応して動き、「言う事を聞かない子」という印象を持つことが増えて行くでしょう。
一方で不注意型のADHDの子どもは常にぼんやりとしておとなしく、「育てやすいけれど物足りない」と感じるかもしれません。
ADHDの特徴を持つ子供のお母さんは、子供の行う派手な行動に手を焼き、いつもハラハラするようになります。
「何とか他の子どもと同じことができるようにしつけなければ。」そう思うほどしつけが厳しくなって行きます。
そんなお母さんのしつけが子供にとっては「存在を否定される」と感じてしまうのです。
子供にとって、お母さんは安全基地です。何が起こっても逃げ込め、逃げ込めさえすれば自分のすべてを受け止めて守ってくれる場所なのです。
しかし、ADHDの特性に翻弄され、いつもストレス状態になっているお母さんは、次第に安全基地の役割を果たすことができなくなります。責任感が強いお母さんほど、子供が起こす多動的、衝動的な行動は「自分の子育ての失敗」と受け止めてしまうのです。
自責的な感情がつのるほど、子供へ愛情を与えることが難しくなって行きます。安全基地を求めて逃げ込んできた子供を受け入れられないことも増えて行くでしょう。
こうして、ADHDの特性を持つ子供が愛着障害を合併していくことになります。
もちろん、ADHDの親子関係の一部ですよ。
ADHDの特性を持ったお子さんへ、変わらぬ愛情を持って育てていらっしゃるお母さんもたくさんいます!
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