ADHDの薬コンサータとは?
2016年3月現在、18歳以上のADHDに使うことのできる薬はコンサータとストラテラの2種類です。コンサータとストラテラはどちらもADHDの片寄った脳の機能を補い、多動性や衝動性を抑える作用があります。
コンサータってどんな薬?
コンサータの効き目
コンサータは中枢神経に作用する薬です。ADHDはドーパミンの再取り込が過剰に行われるためドーパミンが不足し、神経の伝達が上手く行かなくなっています。コンサータはドーパミンの再取り込を邪魔してドーパミンの伝達がスムーズに行くように働きかけてくれます。
ADHDとドーパミンの働きの関係については、こちらの記事をご覧ください。
コンサータの飲み方
コンサータは少量から服用を始め、効き目を診ながら少しずつ増量していきます。コンサータは18㎎錠、27㎎錠、36㎎錠の3種類があります。最初は18㎎を1日1回朝に服用します。薬はゆっくりと効果を表し、1週間程度でどれくらい効いているかわかります。
18㎎で症状が改善していれば18㎎を維持していきますが、効き目が少ないと感じられるときは27㎎、36㎎と1週間ずつ効き目を診ながら増やしていきます。大人は最大72㎎まで増量することができます。
コンサータは一度服用すると効果は12時間続きます。朝飲めば夕方まで効果が持続します。夜にもコンサータの効き目が必要だからと言って、1日2回服用することはしません。夜にも薬効が必要な場合は、コンサータ以外の薬を使って効果を補います。
コンサータの副作用
コンサータには次のような副作用があります。
-
頭痛
-
食欲不振
-
吐き気
-
体重減少
-
不眠
これらの症状が起こったからと言って自己判断で服用を中断しないようにしてください。副作用があることを医師に伝え、適切な対応を取ってもらいましょう。
全ての医師がコンサータを処方できるわけではない
コンサータを処方することができる医師は決まっています。「コンサータ錠適正流通委員会」に登録されている医師でないとコンサータを処方することはできません。
コンサータはメチルフェニデート製剤です。以前は、リタリンというメチルフェニデート製剤が主流でした。リタリンは依存性が高く、麻薬のような覚せい作用があります。その為残念なことに、リタリン乱用が社会問題となり、現在リタリンは大変規制が厳しい薬になっています。
コンサータはリタリンと同様にメチルフェニデート製剤ですが効果がゆっくり長く効くように出来ています。リタリンのように麻薬の代用品として使用することはできません。
しかし、中枢神経に作用し、覚せい作用のあるコンサータには覚せい剤と同様の作用があり、依存性もあります。また、長期間服用していると薬に対して耐性がつき、効果があらわれにくくなることがあります。そのため、処方できる医師を登録し、リタリンのように求められるがまま医師が処方できないようにしているのです。
コンサータを処方できる医師は患者側から検索などで調べることはできなくなっています。コンサータを処方する病院を探すことはできますが、必ずコンサータを処方されるとは限りません。
ADHDに使うことができる薬にはもう一つ、ストラテラという薬があります。ストラテラは中枢神経に直接作用するわけではないので覚せい剤のような作用も依存性もありません。ただ、コンサータに比べて効き目が穏やかです。
ストラテラをまず試しに使ってみて、どうしても効果が足りない場合にコンサータを使うという選択が多いようです。
本当にわかる精神科の薬はじめの一歩〜疾患ごとの具体的な処方例で、薬物療法の考え方とコツ、治療経過に応じた対応が身につく!
- 作者: 稲田健
- 出版社/メーカー: 羊土社
- 発売日: 2013/10/08
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
スポンサードリンク