ADHDの診断ではどんな検査をして何が分かるのか
ADHDの確定診断をもらうためには心理検査をする必要があります。心理検査の種類や、その検査で何が分かるのか知っておくと安心して検査を受けることができます。
心理検査
CAADID
ADHDの診断に使う検査です。パート1とパート2の2冊の冊子の質問に答えて行く検査です。
パート1は家庭・学校・職場での様子や成育歴・既往歴などを調べるための検査です。
パート2は問題となっている症状を確認するための検査です。
パート1、パート2それぞれ、所要時間は60分~90分です。
CAADIDではADHDなのかどうか、ADHDであれば「不注意優勢型」「多動性ー衝動性優位型」「混合型」といったタイプ診断を行います。
CAADIDは治療を進めて行く間に何度か行って、治療効果を確かめるためにも使われます。
CAARS
CAARSはADHDの重症度を調べるための検査です。
質問項目について、「全く当てはまらない」から「非常に当てはまる」の4段階で答えていきます。
質問項目は、自分で答える質問66項目と身近な人が答える質問66項目からできています。所要時間は15分~30分くらいです。
CAADIDで診断し、CAARSで重症度を調べます。
AQ-J
AQ-Jは自閉症スペクトラム指数を調べる検査です。
ADHDにアスペルガー症候群が併存しているのか、併存しているのであればどの程度なのかを調べる検査です。
全部で50の質問に答えて行くだけなのでそれほど時間はかかりません。
WAIS-Ⅲ
WAIS-Ⅲは成人のための知能検査です。
「動作性IQ」「言語性IQ」「全検査IQ」の判定ができます。
この検査はADHDの心理検査の中ではとても重要です。「言語理解」「知覚統合」「作動処理」「処理速度」という指数が検査をすることでわかります。
- 言語理解:言葉の知識を状況に合わせて使う能力
- 知覚統合:目で見た情報を判断し関連付けて意味のあるものに形作る能力
- 作動処理:注意力を維持しながら耳から入った情報を記憶する能力
- 処理速度:目で見た情報を性格にたくさん処理する能力
こういったことを調べると、自分がどのように刺激や情報を受け取って処理しているのかが分かります。
すると、自分が何が原因で失敗するのかが見えてくるのです。
脳の検査
MRI
MRIは脳に何か別の病気がないかを調べるための検査です。
脳腫瘍など何らかの病変があって、ADHDのような症状を起こす可能性はないわけではありません。
脳波
ADHDの約35%に脳波の異常があらわれます。また、てんかんを合併することもあります。てんかんの治療薬がADHDの症状を悪化させる可能性もあります。
脳波の検査はADHDの診断と、併存する病気がないかを調べるための検査になります。
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