ADHD力向上委員会

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自分の考え方の癖を見抜く方法

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自分の考え方の癖を見抜く方法

回避的な行動をとってしまう人や、対人ストレスを抱えやすい人は物事のとらえ方や考え方に特有のパターンを持っていることが多いようです。自分の考え方の癖を見抜けるようになると、考え方の幅を広げて行く足掛かりになります。

 

自動思考を見つける

何らかの出来事が怒った時に、自然に頭に思い浮かんでくる「考え」があります。

 

自分が会議で発言していた時に、誰かがあくびをしたとします。

 

「自分の話は退屈なんだ。」「言いたいことも伝えられない自分はだめな人間だ。」「もっと興味を引くように説明するべきだ。」

 

自動的に頭に思い浮かんでくる考えなので「自動思考」と言います。

 

これは、認知行動療法という心理療法に基づいたとらえ方です。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

 

adhdwell.hatenablog.com

 

自分の考え方の癖を見抜くためには、この「自動思考」に気付くような練習をしていきます。

 

ノートなどに、今日一日の出来事の中で上手く行かなかったときのことを思い出して書いてみましょう。

 

まず、どんなことが起こったのか、簡単に書きだします。そのあと、その時に思い浮かんだことをノートに書きだしていきます。

 

ストレスを抱えやすい考え方の癖

書きだした考えが自動思考になります。その中の気持ちに、下に示すことに当てはまるものはありますか?

 

これは、うつや不安につながりやすい、ストレスに結びつきやすい考え方の癖です。

 

  1. 善か無かの考え方:物事を0か100かで理解しようとする。たとえ99%上手く行っても1%ダメなところがあるとすべてを否定してしまう。
  2. 心の色眼鏡:良いことが目に入らず悪いことばかりを見てしまう。
  3. 拡大解釈と過小評価:自分の欠点や失敗を拡大してとらえる一方、長所は取るに足らないことだと過小評価する。
  4. 理論の飛躍:根拠なく悲観的な未来を信じ込んだり人が悪く思っていると信じ込む。
  5. 過度の一般化:一つよくないことが起こると「何をやっても同じ」「この先も悪いことが起こる」と思い込む
  6. 自分自身への関連付け:良くない出来事を自分のせいにして自分を責める
  7. すべき思考:「~すべき」「~しなければ」と自分に過度なプレッシャーを与える
  8. レッテル貼り:上手く行かないことがあると「自分はだめな人間だ」というレッテルを貼る
  9. 感情的な決めつけ:自分の感情を根拠に判断し、気分が落ち込んでいると冷静な判断ができなくなる。
  10. マイナス思考:物事を悪くすり替えてマイナスに考える。

 

ノートに書きだした自動思考のなかで当てはまるものがないか探してみましょう。

違うとらえ方ができないか考えてみる

自分の自動思考がストレスを抱えやすい考え方の癖に当てはまるという人は、考え方の癖を修正していきましょう。

 

ちょっと冷静になって考えてみてください。

 

会議であくびをした人がたとき、あなたが思ったことが

 

  • 自分の話は退屈なんだ
  • 言いたいことも伝えられないだめな人間なんだ
  • もっと興味を引くように説明するべきだ

 

では、質問です。

 

  1. この考えを支持する根拠は?
  2. 反対の考えの根拠は?
  3. 別の見方はない?
  4. 起こりえる最悪の結果は?現実的な結果は?
  5. この考えを信じるとどうなる?
  6. この考えに対してどんなことをすればいい?
  7. もし誰かが同じ状況に置かれていたらその人になんて言ってあげる?

 

「自分の話は退屈なんだ」に対して質問をしてみましょう。

  1. あくびをした人以外で、退屈そうにしていた人はいますか?⇒いないかも。
  2. その隣の人は、メモを取りながらあなたの話を聞いていたのではないでしょうか?⇒確かに熱心に聞いてくれている人もいた。
  3. もしかしたら、あくびをした人は寝不足だったのかもしれません。⇒そう言えば朝から眠たそうだった。
  4. 仮にあなたの話が退屈だったとして、今後の仕事に何か悪い影響がありますか?⇒特にないかも。
  5. 自分の話が退屈だからといって今後どうしますか?⇒だからって会議で発言しないわけにはいかない。
  6. 自分の話が退屈なんだとして、どうしたらいいでしょう?⇒もっと下準備をしてわかりやすく説明するよう努力する。
  7. 同じことが同僚に起こって「自分の話が退屈でだめだ」と落ち込んでいたら、どうしますか?⇒「そんなことないよ」と慰める。

すると、マイナスにとらえた自動思考には根拠がなく、違う見方ができるということに気が付くのではないでしょうか。

 

物事のとらえ方の癖を見抜き、視野を広げることでマイナス思考による先延ばしはかなり減らすことができます。

 

認知行動療法は、臨床心理士と共に訓練するのが基本的なやり方ですが、ワークブックを使って自己学習することもできます。

 

ADHDは二次障害でうつ病を発症しやすいのですが、認知行動療法は二次障害予防にも大変有効です。

 

心がスッと軽くなる 認知行動療法ノート ―自分でできる27のプチレッスン―

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