ADHDが障害者手帳を持つことにメリットはあるの?
ADHDが障害者手帳を持つことにメリットはあるの?
ADHDの診断を受けていて、社会での生活に一定の制限を受けていたら「精神障害者保健福祉手帳」というものを申請することができます。
「障害者手帳」と呼ばれるものです。
「障害者手帳」を持つことでどんなメリットとデメリットがあるのでしょう。
障害者手帳のメリット
障害者雇用制度を利用できる
ADHDの特性を持っているために仕事を続けることが困難だと感じている人は、「障害者雇用制度」を利用するのも一つの選択肢に加えてほしいと思います。
今、企業は障害者を雇用したいのです。
なぜなら、法律で50人以上の従業員を雇っている事業主は、従業員の2.0%以上の障害者を雇用しなければいけなくなったからです。この基準を満たしていなければ、事業主は国に障害者雇用納付金を徴収されます。逆に、基準を満たしていれば障害者雇用調整金という給付金をもらえるのです。
今、働きにくくて辛い思いをしている人の中には、ADHDという診断を受けていることを秘密にしている人が多いのではないでしょうか。
障害者雇用であれば、そもそも自分の診断名を秘密にする必要はありません。雇用する側も障害者であることを前提に仕事を調整してくれます。病院を受診する為に休暇を取ることも考慮に入れてくれるでしょう。
ジョブコーチを利用している企業なら、今まで仕事をするうえでネックになっていたことに対して対策を一緒に考えてくれたり、環境を調整してくれたりします。
障害者雇用枠で仕事を探すと、思いもかけない優良企業の求人に出会う機会もあります。
税金が安くなる
自分が税金を納めているという人は、所得税の障害者控除を受けることができます。また、自分が扶養家族だという人は、扶養してくれている家族が所得税の精神障害者控除を受けることができます。
公共料金が安くなる
障害者手帳を持っていると携帯電話の障害者用の料金プランを利用することができます。たとえばNTTdocomoは4200円のスマホカケホーダイプランが障害者向けの「ハーティ割引」を利用すると2500円になります。
電車などの公共交通機関も割引を受けられる会社があります。NHKの受診料も全額もしくは半額の割引を受けることができます。
美術館などの公共施設でも、障害者割引で入場することができる施設が多いようです。ユニバーサルスタジオジャパンも、障害者手帳を持っている本人と付添いの大人1名は割引料金で入場できますよ。
障害者手帳のデメリット
障害者手帳を持っていると何かと優遇されることが多いのですが、やはり「障害者手帳」を持つことに抵抗を感じる人は多いと思います。
まず、よく耳にするのが「自分自身に障害者のレッテルを貼るようで辛い」ということ。
この気持ちを強く持っている人に、「それでも手帳を持った方がいい」とゴリ押しする必要はないと思います。
つぎに、「障害者手帳を持っていると就職に制限を受けるのでは?」という不安。
この不安は捨ててよい不安です。障害者手帳を持っていることは、自分から明かさない限り他の人に知られることはありません。就職を希望する企業に手帳を持っているという情報が伝わることもありません。安心してください。
手帳をとるかとらないかは、本人の価値観で判断して良いと思います。
ただ、今現在生きづらさを感じていて、その原因が「仕事」であるのであれば。
その辛さのせいでうつ病などの二次障害を併発してしまいそうなのであれば。
精神障害者保健福祉手帳をとり、障害者雇用で働くということで今の辛さから解放されるかもしれません。
ADHDの特性とうまく付き合える環境が整えば、あなたはあなたらしく、本来の能力を発揮して生き生きと働くことができるかもしれないのですから。
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