ADHDの治療の最大の目的は二次障害の予防
ADHDの治療の最大の目的は二次障害の予防
ADHD傾向があって生活で困ることがたくさんある人は、是非確定診断を受けてADHDの治療を開始してほしいと思います。ADHDの治療を受けることで、うつ病などの二次障害を予防することができるからです。
ADHDの治療と目的
ADHDの治療には次のものがあります。
- 薬物療法
- 認知行動療法
- 環境調整法
薬物療法はADHDの診断がつくとすぐに開始になります。
認知行動療法や環境調整法は実施するかどうか、どのような内容で実施するのかは医療機関によって違いがあります。
多くの場合、治療は診察の時に医師に困っている現状を伝え、解決するためのアドバイスを受けたり、支持的な言葉をもらうという形で治療がすすめられるでしょう。
認知行動療法や環境調整法は、臨床心理士と共に行っていくことが多いのですが、実際に行っている頻度はあまり多くはありません。
薬物療法以外の治療法を行っている医療機関は今のところあまり多くないというのが現状です。
認知行動療法は、自分の考え方の癖を知り、偏りをなくすように修正していく心理療法です。書籍を購入し、自分で実行していくだけでも効果があります。
環境調整法も、医師のアドバイスや書籍、インターネットから情報をとり、自分に合った方法で実行していくことが多いようです。環境調整法は家族が協力してくれると効果があがります。
家族の理解と協力を得るために、医師の診察の同行してもらうのも良い方法です。医師から病気について説明を受けると、家族もADHDという障害について理解しやすくなります。
ADHDのよくある二次障害
ADHD傾向の人は子供のころから親に強く叱られたり、友達とうまくいかなかったりし、自分に自信を持てないまま大人になることが多いです。
大人になるとADHDの特性のために対人関係や会社での仕事、家事や育児が上手く行かないことが続くと、「自分はだめな人間だ。」という思いが強くなります。
そう言った失敗体験からくるストレスが、精神的な不調につながることが多いのです。
ADHDで起こりやすい二次障害には次のようなものがあります。
- 不安障害
- うつ病
- 双極性障害
- 睡眠障害
- アルコール依存症
- 薬物依存症
二次障害を予防する必要性
ADHDという診断がつく前に二次障害を起こすと、二次障害に対しての治療が先行して行われてしまいます。うつ病などの病気の治療は早期に行う必要がありますが、原因がADHDの特性によるストレスだと分からなければ治療が上手く進まない可能性があります。
精神科の病院やクリニックに助けを求めてくる患者さんの中には、かなり高い頻度で発達障害の二次障害を持っている人が多いと推測できます。
発達障害の概念は2000年代になってから徐々に浸透してきたものです。発達障害を診断できる医師はあまり多くありません。
二次障害を起こしてしまうと、二次障害の治療を行ってもなかなか治療効果が出ない、よくなって社会復帰しても仕事が続かない⇒自信を喪失⇒二次障害の再発・悪化という悪循環に陥りやすいのです。
ですから、ADHDの特徴があって、生活が困難だという自覚を持っている人はできるだけ早くADHDの診断を受け、薬物治療だけでも初めて欲しいのです。
薬物療法を行うだけでも、ADHDの症状は緩和され、生活のしずらさは改善されていきますから。
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