ADHDの診断を受ける必要性はあるのか?
ADHDの診断を受ける必要性はあるのか?
「ADHDかもしれない」。そう思いながら確定診断を受けず何とか頑張って仕事や家事、育児をこなしている大人の発達障害の方はとてもたくさんいます。発達障害の確定診断を受けない理由はそれぞれだと思います。ですが、これからの人生をよりよく生きて行くためにも確定診断を受けることをおすすめします。
ADHDの診断を受ける必要性
自分の特性が分かる
「ADHDかもしれない」と思っている人は、きっと一度はADHDのセルフチェックをしたことがあるのではないでしょうか。
また、インターネットなどでADHDに関する情報を集め、自分に当てはまることがたくさんあると感じている人も多いでしょう。
そういった人は確かにADHDかもしれません。
でも、「ADHD」という障害は、とても個人差があります。日本では、通称「ジャイアン型」「のび太型」「混合型」の3種類に分けられていますが、その中でも「混合型」が最も多いのです。
「ジャイアン」と「のび太」の混合型ですよ。
つまり、タイプ的に全く真逆の2人の間がすべて混合型の範疇になります。「混合型」にはかなり個人差があります。
ADHDの症状の現れ方には、個人差が大きいのです。
また、ADHDはアスペルガー症候群を併存していることも多いのです。
あなたが感じている生きにくさは本当にADHDの特性の為ですか?アスペルガー症候群とADHDでは、一見して似かよった行動パターンをとることがあります。
そして、アスペルガー症候群もまた、症状の現れ方に個人差があるのです。
病院で確定診断を受ける時に、心理検査を行います。心理検査を行うと、自分の障害の種類と、現れている行動がどこから来ているのかが分かります。
つまり、自分が今困っている特性に、診断名という名前がつき、その症状があらわれる原因が分かるのです。
自分がいつも困っていることの原因が分かると、対処法を考えやすくなります。身近に援助してくれる人がいるのなら、その人と診断名や症状があらわれる原因を共有することで、援助してくれる人も楽になります。
医療機関での治療を受けることができる
ADHDの症状があらわれる原因は、脳の働きが偏っているからです。ADHDという診断を受けると、ADHDを治療する薬を使って治療することができるようになります。
ADHD治療薬であるストラテラやコンサータは、ADHDの脳の働きを悪くしている原因であるドーパミンの活動不全を改善してくれます。
最近は、ストラテラを第一選択薬として使うことが多いようです。ストラテラの効果の現れ方はゆっくりですが、ADHD特有の不注意や注意の転換、疲れやすさなどを改善してくれます。
公的なサービスが受けられる
ADHDなど、発達障害であるという診断を受けると、「障害者総合支援法」という障害福祉サービスを利用できるようになります。
ADHDの治療は長期間続くことになります。障害者総合支援法を利用すると、ADHDの治療にかかる医療費が1割負担になります。
もし、あなたがADHDという障害のために仕事を続けることが困難な状態であれば、就労移行支援や就労継続支援といった就労面での訓練を受けることができます。
家族から自立したいけれど単身で自立した生活をする自信がないという人は、共同生活援助(グループホーム)を利用することができます。
ADHDという診断を受けた人の声
実際に病院へ行き、ADHDという診断を受けた人は、「診断を受けてほっとした。」と思う人が多いようです。
今まで努力してもできなかったことは、「だらしがない」「努力が足りない」という人間性の問題ではなく、「脳の機能障害」であるということが証明され、救われた気持ちになった。
これが最も多い声です。
糖尿病や高血圧は診断を受けて治療のための薬を飲み、食事や運動をし、重篤な合併症が起こらないように治療を続けます。
ADHDも同じです。
診断を受け、適切な治療を受け、生きやすいように環境や行動を工夫していきます。そうすることで、うつ病などの2次的な障害を防ぎ、これからの人生をよりよい方向へ転換していくことができます。
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