ADHD力向上委員会

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ADHDに合併しやすい障害(二次障害)にはどんなものがあるの?

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ADHDに合併しやすい障害(二次障害)にはどんなものがあるの?

ADHDの行動は誤解を生みやすく、ADHDの子供の子供は叱られたり否定されたりして育つことが多いのです。自尊心が傷付けられ、ストレスが蓄積してさまざまな合併症(二次障害)をおこしやすくなります。

 

反抗挑戦性障害

ADHDの特徴は大人たちから見ると「だらしがない」「さぼっている」「協調性がない」解釈されます。当然目についた行動に対して叱り、行動を修正しようとします。

 

大人たちだけではなく、友達からも自分勝手と受け止められる行動のために受け入れられず非難されたり受け入れられなくなったりします。

 

ADHDの子どもたちは自分を否定的にとらえる世界の中で育っていきます。自分は無力でだめな人間だと自分自身をも否定するようになります。

 

子供は生長するに従い自我を持ち始めます。そして、自分を受け入れてくれない社会に対して反発するようになります。大人たちに反抗的な行動をとり、規則違反をわざと繰り返したりします。

 

反抗挑戦性障害は9歳頃に発症し、中学生初期まで目立つ症状です。また、ADHDの50%~70%に反抗挑戦性障害がみられ、いずれ他の合併症へと進行していくと考えられています。

 

行為障害(素行障害)

反抗挑戦性障害がエスカレートし行動化し、破壊行為、暴力行為、違法行為に至る状態になる事があります。反抗挑戦性障害が進展してこういった行動化したケースを行為障害(素行障害)といいます。ADHDでも特に多動性や衝動性の強いタイプにおこりやすい障害です。

 

行為障害(素行障害)は小学校高学年から高校生初期にみられます。

 

行為障害の診断基準

人や動物に対する攻撃性

  • しばしば他人をいじめ、強迫し、威嚇する
  • しばしば取っ組み合いのけんかを始める
  • 他人に重大な身体的危害を与えるような凶器を使用したことがある
  • 人に対して残酷な身体的暴力を加えたことがある
  • 動物に対して残酷な身体的暴力を与えたことがある
  • 被害者の前面で盗みをしたことがある(強盗・ひったくり・強奪)
  • 性行為を強いたことがある

所有物の破損

  • 重大な損害を与えるため故意に放火したことがある
  • 故意に他人の所有物を破壊したことがある(放火以外)

嘘をつくことや窃盗

  • 他人の住居・建造物・または車に侵入したことがある
  • 物や好意を得たり、または義務を逃れるためにしばしば嘘をつく
  • 被害者の前面ではなく、多少価値のある物品を盗んだことがある(万引きなど)

重大な規則違反

  • 親の禁止に関わらずしばしば夜遅く外出する行為が13歳以前から始まる
  • 親または親代わりの人の家に住み、一晩中家を空けたことが少なくとも2回あった(または長期にわたり家に帰らなかったことが1回あった)
  • しばしば学校を怠ける行為が13歳以前から始まる

 

以上のうち3つが過去12か月の間にあり、そのうちの1つが過去6か月の間にあったとき、行為障害(素行障害)と診断されます。

 

不安障害

ADHDの特徴のために積み重なった自己不全感や周囲との摩擦の繰り返しが大きなストレスとなり、精神的に不安定になることで起こる障害です。不眠や食欲不振などの身体的な症状として現れることもあります。

 

不安障害には、次のような症状も含まれます。

  • パニック発作:発作的に強い恐怖感に襲われ、動悸や息苦しさ、めまいなどを感じる
  • 恐怖症:高所や閉所など特定の状況で強い恐怖感を感じる
  • 全般性不安障害:さまざまなことに対して漠然とした不安を抱き、情緒が不安定になる、肩こりや疲れなどの身体的な症状が起こる

不安障害は、反抗挑戦性障害として現れたマイナスのエネルギーが内側に向かって引き起こされていると考えることができます。

 

うつ病

積み重なるストレスや不安感が脳に影響を与え、うつ病を発症することがあります。また、遺伝的素因としてADHDがうつ病にかかりやすいという報告もあります。大人のADHDの25~53%がうつ病を発症しているといわれています。

うつ病の症状について、詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

komakosensei.hatenablog.com

 

おとなのADHDでは合併症(二次障害)が前面に出やすい

不安障害やうつ病を患って精神科の病院を訪れる人の中には、ADHDの人が大変多いです。しかし、ADHDの目立つ症状である多動性や衝動性は大人になってからは表面化しなくなっています。そのため、精神科の医師でも根本的な原因にADHDが隠れていることを見抜くことができず、不安障害やうつ病の治療だけを行ってADHDに対する治療や支援に至らないことが多いのです。

 

もしかして私、大人の発達障害かもしれない!?

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