ADHDが片づけられないのはなぜ?部屋が散らかってたらダメなの?
ADHDが片づけられないのはなぜ?
物を適当に置いてしまうから
ADHDの脳は常に忙しく動いています。「帰ったらあのドラマを見なくちゃ!」「でもお腹が空いたからご飯作らなきゃ」「買った雑誌読まなきゃ」いろいろなことを考えながら、家についたら、カバンや買い物袋を適当なところに置いて、脱いだコートも床にそのまま脱ぎ捨ててしまいます。
やりたいこと、やらなければいけないことで頭がいっぱいで定位置に置いておくどころではないのです。
物を持ちすぎてしまうから
つい衝動買いをしてしまうのもADHDのよくない癖です。「タイムセール」「50%オフ」といった誘い文句にはとても弱いですよね。気に入ったものをよく考えず買ってしまいます。
自分が何を持っているのか、覚えておくのも苦手です。でも、選ぶのは同じ人間なので、当然気に入るのも同じもの。「家に帰ったら今日買ったものと全く同じものがあった」ということも珍しくありません。
無駄な衝動買いを繰り返した結果、家はたくさんのもので溢れてしまっています。
必要なものとそうでない物の区別がつけられないから
ADHDは見通しを立てるのが苦手です。だから、たくさんのものの中でどれが必要でどれがいらないものなのかを判断することができないのです。
「いつか使うかもしれない。」「せっかく買ったのにもったいない。」
衝動買いしたたくさんのものは捨てられることなく、使われることもなく、忘れ去られていくのです。
片づけを後回しにしてしまうから
嫌なことを先延ばしにしてしまうのもADHDの特徴です。「片付けよう」と思ったすぐ後に、「この番組が終わったら」「今度の休みは予定がないからその時に」と行動を後回しにしてしまいます。
片付けが実行されないまま、物は増えて行くのです。
一か所の片付けに時間をかけてしまうから
「過集中」もADHDの特徴です。重い腰をあげて片づけを始めても、一か所だけを徹底的にやってしまう傾向があります。
たとえば、クローゼットの引き出しの整理を始めたとします。クローゼットから中身を出したら、まずクローゼット自体の汚れを徹底的に落とします。爪楊枝で隅のほこりをかきだしてみたり・・・。
つぎは靴下を色の薄い順番に並べて入れよう。いざ始めてみると、夏物と冬物が混じってしまったからやり直し・・・。
一つの引き出しに2時間もかかってしまいました。終わった時にはぐったり。エネルギーを使い果たしてしまいます。そして、ふと部屋を見ると、あちこちに脱ぎ捨てた靴下を発見。一気に片づけをする気がなくなってしまいました。
計画を立てられないうえに一か所に過剰にエネルギーを注ぐので片付けが散らかるスピードに追い付いて行かないのです。
気が散ってしまうから
ADHDは刺激に弱いのです。片づけを始めた時に、古いアルバムや面白そうな雑誌を見つけてしまい、読みふけってしまって片付けが進まないということも良くあります。
散らかった部屋は刺激の宝庫です。脱ぎ捨てた服をよけたとたんに見つけた去年のスケジュール帳、乱雑に積み重なったクローゼットの服の山の下で発見したお気に入りだったスカート。散らかった部屋の片づけは宝探しゲームのようなものかもしれません。
でも、お宝を見つけるたびに手を止めていては一向に片づけは進みません。ワーキングメモリーの容量が小さいADHDは、そのうち片づけていることも忘れてしまうかもしれません。
部屋が散らかってたらダメなの?
物を無くしやすい
刺激に弱く、刺激の中から大切なものを見つけ出すのも苦手なADHDは、すぐにものを無くしてしまうのです。ワーキングメモリーの容量が小さいせいで物を置いた場所も忘れてしまいやすいので、なくしたものを探し出すのも苦手です。
スケジュール管理ができない
ADHDは遅刻をすることが多いのですが、探し物が遅刻の原因になることがよくあります。
散らかった部屋はADHDにとっては刺激過多な環境です。ただでさえごちゃごちゃしている頭の中に、どんどんいらない刺激を入れてしまいます。スケジュール管理や計画を立てることを、散らかった部屋がずいぶん邪魔をしているのです。
スポンサードリンク