ADHDはなぜ疲れやすいのか
ADHDはなぜ疲れやすいのか
ADHD傾向を持っている人で、疲れやすさを感じている人は多いのではないでしょうか。ADHD特有の疲労感は、身体からくる疲れではなく、脳の疲労から起こっているのです。
ワーキングメモリーと疲労
ADHDはワーキングメモリーの容量が少ないということが知られています。
ADHDとワーキングメモリーについてはこちらの記事で詳しく触れています。参考にしてください。
ワーキングメモリーとは、記憶や情報を置いておくお盆のようなものです。脳はこのお盆から分析や判断をし、取るべき行動を決めています。
疲れてくると、ワーキングメモリーのお盆の上に「疲労物質」が乗っかります。
これは、ADHDではない人も同様です。ですが、ADHDではない人のワーキングメモリーは多少疲労物質が乗っかっても、スペースに余裕があります。多少の判断力や分析力が落ちたとしても、通常の生活に支障をきたさない程度に脳は働くことができます。
しかし、ワーキングメモリーの容量の少ないADHDは、疲労物質でお盆の上がいっぱいになってしまい、脳が上手く働かなくなってしまうのです。
注意配分機能の低下
ワーキングメモリーが正常に働かないと、注意配分機能が低下します。
注意配分機能が正常に働いていると、やるべきことを効率よく行う方法を的確に脳が判断することができます。逆に、注意配分機能が低下していると、何をやっても効率が悪くなり、余計な作業が増え、疲労に繋がってしまうのです。
報われなさを感じやすい
また、ADHD傾向の人は脳の報酬系の機能が低下していることが分かっています。
しなければいけないことをやり遂げた時「やった!」と感じる達成感を感じにくいのです。
結果として、様々なことに億劫さを感じ、何をしても「結果が出ない」「報われない」「満たされない」と感じてしまいます。
ADHDのなかでも、不注意優勢型の人は、とくに報酬系の機能が不均衡をおこしやすく、慢性疲労性症候群を合併しやすくなっています。
睡眠障害を合併している
ADHD傾向の人は睡眠の質が低下しやすいことが分かっています。特に、体内時計がずれることで起こる概日リズム睡眠障害を合併しやすいのです。
概日リズム睡眠障害については、こちらの記事を参考にしてください。
睡眠は脳の疲労を取り除く大切な機能なのです。睡眠障害によって十分に脳の疲労が取り除かれない状態が続いていると、慢性的に疲労感を感じることになってしまいます。
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