ADHD力向上委員会

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ADHDが「子供っぽい」と言われるのはなぜだろう?

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ADHDが「子供っぽい」と言われるのはなぜだろう?

ADHDの特性を持っている人のなかに、人から「子供っぽいね。」と言われたことがある人がいるのではないでしょうか。ADHDの脳は発達が未熟でアンバランスなため社会的スキルが育ちにくいのです。

 

ADHDが子供っぽく見えるのはなぜ?

ADHDの脳の発達の特徴

ADHDの脳は通常の発達よりも未熟でアンバランスであることが分かっています。

 

生まれてから成長していく過程で、「おむつが外れるのが遅かった」「言葉を覚えるのが遅かった」など、周囲の子どもに比べて成長が少し遅いと指摘されたことがあるかもしれません。

 

大人になってからも脳の発達のアンバランスさは残っています。認知機能や社会スキルの未熟さや感情のコントロールができないのも脳の発達のアンバランスによるものです。

 

脳の中でも一番最後に発達するのが前頭前野です。前頭前野は認知機能や判断、感情のコントロールなど社会的な行動を司っています。ADHDでは前頭前野の血流が悪く充分に機能していないことが分かっています。

 

状況認知の問題

ADHDは周囲の状況を理解し判断することが苦手です。ワーキングメモリーの容量が少ないため、自分自身におこっていることを情報処理するだけで精一杯で、自分の外の世界まで手が回らないのです。

 

これは、アスペルガー症候群の「空気が読めない」という状況認知の悪さとは原因が異なっています。

 

ADHDは決して周囲の状況に関心がないわけではありません。周りで困っている人を発見することができれば、自分の事は後回しにしても助けてしまうでしょう。

 

ただ、状況認知が悪いため、気が付く範囲が狭いのです。

 

そして、行動を起こすときは衝動的です。「たまたま目についた全く知らない人の困ったことに巻き込まれるくせに、家族が困っていても気が付いてあげられない。」というような、ちぐはぐな行動に至ってしまいます。

 

目の前のことに一生懸命になっているだけなのですが、周囲からは「自己中心的」だと受け止められてしまいがちなのです。

 

感情のコントロールの問題

ADHDは前頭前野の働きが弱いため、感情を上手くコントロールすることが苦手です。そこに衝動性があわさっているので、時折感情のまま激昂してしまうことがあります。

 

「怒る」という行動は、社会人になるととても子供っぽい行動に映ります。

 

まして、ADHDの感情の爆発は理不尽なことが多いのです。刺激がそのまま感情に結びついてしまうからで、冷静になってみると「怒るほどの事でもなかった。」ということがよくあります。

 

自信が持てないから

ADHDの未熟さは親からすると「努力が足りない」「だらしない」と受け取られてしまいます。ADHDの子どもはどうしても叱られて育てられることが多くなります。

 

友達ができるようになると、未熟な社会スキルから言わなくてもいいことを言ってしまったり、自分勝手に取られるような行動をとってしまって対人面で失敗を繰り返します。

 

学校の課題が間に合わなかったり、グループワークで和を乱したり、ADHDの成長過程は失敗の連続です。

 

その為に、大人になるころにはすっかり自分自身に自信を無くしてしまいます。自信がないため頼れる人に依存的になってしまうこともあるでしょう。

 

自分では何もできないと人に頼っている人は、どうしても子供っぽく見られてしまうのです。

 

人は誰でも成長し続ける

ADHDのアンバランスさは薬での治療や生活の工夫で修正していくことができます。

 

対人スキルは、人と繋がって生きて行く中で成長していくことができます。

 

感情のコントロールは訓練をすればできるようになります。

 

あなたはあなたにしかない個性を持っています。

 

何より、人は経験を積むことによっていくつになっても成長していくことができます。

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